こんにちは!トミーです。
今回は、シンガポールに「駐妻」として滞在経験のあるウィズナーのなつさんのインタビューの後編です。

これから海外赴任を予定している方、シンガポール渡航の方だけでなく、海外在住・移住予定全ての方に参考にしていただけるかと思います。
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人の目をいつも気にしていた自分に気づく
日本人とは異なり、「YES」「NO」をはっきり表すシンガポール人。様々な人種と共存し生きるシンガポール人にとって、お互いに心地よく生きていくためには、意見の主張と対話が歴史的にも必要とされてきました。最初は自分を否定されているように感じ「NO」と言われることに恐縮していました。
しかし彼らと接するうちに「NO」をはっきり言うことが、大変合理的なことだと考えるようになっていったんです。
彼らが「NO」をいうのには、私という人間を否定したいのではなく、あくまでも私の希望を叶えられない事実を伝えたいという目的があります。それを伝えるために中途半端な態度で相手に期待や誤解を抱かせることよりも、無駄な時間を取らせないことの方が親切でコミュニケーションにおいては大事なのではないか、と思ったのです。
私は「NO」と言われること、言うことをポジティブに受け止めることができるようになったので、自分の希望を素直に相手に伝えることができるようになりました。「相手が本当に無理のときはNOが返ってくるから、あまり深く考えず、とりあえず自分の希望を相手に伝えてみよう」といった具合に、気楽に構えたんです。
すると、様々な場面で人に話しかけること、時には「NO」と言われることを楽しめるようになったんです。
以前の私だったら、「図々しいと思われるから、お願いするのは止めておこう」と思うようなことについても、話すことができるようになりました。この経験を通して、私の中に「嫌な人だと思われたくない」、「こう言ったら相手になんて思われるかな」と、いつも人の目を気にしている自分がいたことに気づきました。
大事なことは、人からどう思われるかを気にすることではなく、自分が今を心地よく生きることであり、そのために自分がどのように行動するかということ。
自分自身で自分を押さえつけて苦しむのはもうやめて、自分の気持ちや考えをもっと大事にしよう、シンガポールで生活するうちに自然とそんな風に考えることができるようになりました。
新たな自分の発見と成長、そして実感できた自分への自信
すっかりシンガポール生活が板についた私は、シンガポールでも幼稚園のボランティア活動に参加。なんと、そこで私は謝恩会の司会をすることになりました。司会の経験がなく、不安と「やってみよう」という気持ちの狭間での挑戦でした。迎えた謝恩会当日は緊張と不安であっという間に終了。
そのときに私が感じたことは「人前で話すことは気持ちいい!」でした(笑)。
もっと人前で話したい、そんなふうに思っていたある日、現地の博物館で日本語ボランティアガイドの募集を知り、即座に応募しました。
独立記念日に放映されるニュースや博物館の展示を通し、シンガポールの建国の父、リー・クアンユーの歴史に魅了されすっかりファンに。人前で大好きなシンガポールの歴史やリー・クアンユーについて自分の言葉で伝えることができるボランティア活動は、大変魅力的でした。
しかし、ボランティアガイドになるための道のりは想像以上に大変でした。
博物館の展示内容を勉強した上で台本を自分で書き上げ、先輩ガイドから合格を受けてからやっとボランティアガイドとして活動することが認められます。私は、ガイドの先輩や同期に沢山助けてもらいながら自分の台本をなんとか書き上げ、博物館に何度も通っては呪文のように台本を読む練習をしました。
そして、遂に私はボランティアガイドとしてのデビューを果たしました。自分が伝えたいことが相手の心に届いたときの嬉しさと活動のやりがいは、言葉では言い表せません。
子供でも理解できるように伝え方を工夫することは、子育て中の私にはとても楽しくいい勉強になりました。博物館には、日本から様々なお客さまがいらっしゃいます。普段日本では出会うことのない日本人の方を、ガイドという立場で迎え、交流を通じ、様々な考えに触れることができ大変貴重な経験をすることができました。
シンガポール赴任中、多くの人に支えられながら、私は日本では思いつかないようなことに挑戦することができました。そのことは、自分の新しい一面を発見する貴重な機会にもなりました。
日々のトライ&エラーを繰り返しながら前進を実感できたことで、自分の成長を感じることができ嬉しかったです。新しい挑戦は、自分の自信にもつながりました。シンガポールの経験があるから今の自分がいる、と心から思っています。
「シンガポールから離れたくない。」帰国前の涙
充実した生活を送っていたある日、遂に夫のシンガポール駐在の終了が決まりました。つまり、一家揃っての本帰国です。
大好きなボランティア活動、楽しくなったシンガポール人との会話ができなくなると思うと、とてつもなく寂しくて涙が溢れました。シンガポールに来たときは日本に帰りたくて泣き、日本への帰国前は、心地いいシンガポールを離れたくなくて泣いて・・・思い出すと、私はシンガポールのことで、よく泣いていましたね(笑)。
シンガポールは、私に自由で心地よく生きていくために大切なことを私に教えてくれました。シンガポールに行ってから価値観が半分以上変わったといってもいいくらい。私にとって、シンガポールは特別な国で、第二の心のふるさとです。今でも時折、当時のボランティアメンバーやシンガポール人の友人と連絡を取り、シンガポールへの思いを馳せています。
次にシンガポールを旅行で訪れる時には、住んでいた当時とは異なる角度でシンガポールを見つめることができると思うと、今から渡航がとても楽しみです。
本帰国後の新しいチャレンジ
シンガポールで出会った友人の誘いがきっかけで、現在はフルリモートで、働く人々のキャリアサポートや、海外在住の日本人のコミュニティ支援の仕事をしています。海外で様々な思いを抱えながら生きる日本人が、より生活しやすくなるようなお手伝いがしたくて始めました。様々な場面でシンガポールでの知識や経験が役に立っていて、仕事にとてもやりがいを感じています。
また、現在は仕事をしつつキャリアアップのためキャリアコンサルタントを目指し勉強を始めました。シンガポールに行っていなかったら携わることも目指すこともなかった仕事だと思うと、シンガポールの経験が、今も私の心の中で生き続けていることを実感します。
仕事と家庭、勉強の両立で毎日忙しいですが、とても充実した日々を過ごしています。
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シンガポールでの経験を活かして現在のお仕事を楽しみつつ、新たな目標に対して踏み出されたなつさん。しなやかな力強さと包み込まれるような優しさが、とても印象的でした。

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