こんにちは!トミーです。
ウィズナーの青のりさんと日本が大好きな青のりさんのフランス人パートナーさんにインタビューにご協力いただきました。
青のりさんがフランス生活を通して発見したこと、フランス人パートナーさんが考える日本のいいところや、日本での滞在を通して感じるフランス社会についてなど、4回にわたってお届けします。
■青のりさんのパートナーさん
ぶどう栽培家。幼少期からぶどう栽培が盛んな村で、動物と植物に囲まれて育つ。
20代半ばに機械設計エンジニアからぶどう栽培家に転向。品質の良いぶどう栽培を目指し、試行錯誤をする日々。自然との戦いに苦しめられつつも、自然豊かな環境で働けることは心地よいのだそう。ドラマの「トリック」や、「ガキの使いやあらへんで」などの日本のテレビ番組がきっかけで日本文化に興味を持つ。日本語学習歴5年。
好きな動物は、ウサギとカメ。
3回目の今回は、青のりさんのフランス人パートナーさんが思う、日本のコミュニケーションの魅力について。フランスで生まれ育って仕事で人と関わる中、人間関係で悩むことも多かったそう。そんなとき、日本人と接して新鮮な気づきを得たそうです。
日本を再発見するきっかけになるかもしれません。 外国人を接する方、フランスに興味がある方にも参考になる内容です。ぜひ読んでみてください。
日本人のコミュニケーション方法のどんなところに魅力を感じますか?
日本人は直接的な表現を避けますし、ケースバイケースで他人との間に一定の心の距離を保ちます。私は、それは大事なことだと思います。人と人が気持ちよく生きていくためにある程度の距離を保つことや、ストレートな表現をわざと避けることが必要だと、フランスに住んでいてよく感じるからです。
フランス人は自分の考えや思ったことを自由に発言します。ストレートな言葉づかいや一方的な発言は人を傷つけることも。気にしないフランス人もいますが、私の周りの人も含め、周りや自分の発言に注意をするフランス人もいることは事実です。
日本人のように「言葉には責任がある」と考えることはあまりありません。ある議題についてよく知らないのに発言する人もいるし、自分の言ったことに責任を持たない人も多い。私もフランス人なので意見を言うことは好きですが、命令的な発言をする人や、一方的に自分の利益を優先する人などと一緒にいて、疲れてしまうことがよくあります。もちろん、自分の言葉の表現を十分に気をつけているフランス人もいるため、全てのフランス人がそうではありません。ただ、自分の気持ちを自由に表現できる社会ということは、そういったマイナス面があって、自分の文化や風習にストレスを感じるフランス人がいることも事実です。
フランスでは、道徳をどのように学ぶのでしょうか?
フランスでは学校や家庭の中で自分の意見を主張することや、議論の方法などを学びます。フランス語の基本的な言語構造によることも大きいでしょう。論理的な思考やディスカッションは日常的に行うので、日本人に比べて慣れているかもしれません。
一方、フランス人は日本人のように相手の立場になって考えることや、相手の気持ちを理解することは難しいと思います。それは、恐らく学校教育によるものでしょう。
フランスは、かつては学校教育の中にキリスト教教育があり、その一部が道徳の授業の役割を担っていました。しかし、時代の変化に伴って学校教育を非宗教性を原則とする考え方に移行し、教育改革が行われてきました。現在でもキリスト教系の学校では道徳の授業を設けているようですが、普通の学校では日本のような道徳の授業はありません。近しいものに、「公民教育」というものはありますが、政治や法律など社会の基本的な構造について理解する内容。日本の道徳授業とは性質が異なります。
フランスでは、道徳的なことは家庭で教えるべきことされています。家庭の中や普段の日常生活の中での経験を通し、それぞれの感覚で道徳的なことを学びます。
日本では、小さい頃から人の気持ちを理解することや、人の立場になって相手の気持ちを考えることを仲間と一緒に学びます。それは、人としてとても大事なこと。また、掃除や給食の配膳などを通して、日々の生活の中で仲間と協力すること、責任を持つことを子供達は学びます。それは本当に素晴らしいことです。フランスの教育現場にも取り入れてほしいことの一つです。
適切な程度の度合いは日本とは異なるかもしれないけど、私は、ある程度のルールは必要だと思います。
日本文化と日本語の勉強と通し、実践していることを教えてください。
日本では、道でほんの少し肩がぶつかっただけでも「すみません」と違いに謝り合います。双方が気を遣い合うことはとても優しいことで、かつ自然な表現方法。フランスではそのような光景を見たことはありません。日本人の対応方法には心地よさを感じるので、日本にいる時には実践しています。
日本人の婉曲的な言葉が本当に意味することを理解することが難しいこともあります。日本に住む外国人にとっては、ストレートに発言できないことをストレスに感じる人も多いことも理解できます。会話の方法や表現方法の違いを理解しながら、少しずつ寄り添っていく努力が必要です。
自分なりに日本のことを調べていますが、日本は様々な問題があることも事実。日本が完璧な国だとは思っていません。同様に、フランスにも良い面と悪い面があります。そのことを理解したうえで、日本にはないフランスのいいこと、フランスにはない日本のいいことはどんなことだろう、と最近はよく考えていて周りの人たちにも共有しています。
日々の生活をより心地よいものにするために、どのように生活に取り入れることができるかを考えることはとても楽しい時間です。
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今回はウィズナーさん、青のりさんのフランス人パートナーさんが日本生活を通して再発見した、フランスについてを紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
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青のりさん、青のりさんのパートナーさんからも現地情報を聞けることができます。
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最終回は、青のりさんが考えるフランスの絶妙な自由さについてご紹介。
現地で生活する中、フランス人のオシャレの考え方が日本人と少し違ったことに気づいたそう。
次回も、ぜひご覧ください♪