こんにちは!トミーです。
みなさんは上海というと、何が思い浮かびますか?
近代的な街並みでしょうか?それとも上海料理が浮かびますか?
上海は中国の中でも主要な経済都市で、様々な国の人が駐在員として暮らしています。日本からは地理的にも近いため、仕事や留学などで渡航する人も多く、日本人にとっては身近な都市の一つでもあります。
そこで上海出身のウィズナーさんに、上海について教えていただきました。
10月は第3週に渡って上海や中国の文化についてご紹介します。
第2週目の今回は、日本と上海と似ていることや異なることに焦点を当てます。
これから現地で渡航予定の方だけでなく、海外の文化に興味がある方にも楽しんでいただける内容だと思うので、ぜひ読んでみてください♪
ウィズナーのJYOIさんのご紹介
JYOIさんが日本に興味を持ったのは、学生の頃。震災後の上海で開催されたチャリティコンサートでYUIの歌に感動し、日本語の学習をスタート。その後、数回日本に来日。上海の大学卒業し、日本の国立大学院で修士号を取得し、現在は東京で専門職のお仕事をされています。優秀で努力家なJYOIさんの最近の楽しみは、相棒のゴールデンレトリバーとお家でゆっくり過ごすことだとか。
常に冷静でバランスの取れた感覚の持ち主のJYOIさんに、日本と上海について教えていただきました。
上海の概要
上海は中国4大都市の一つ。世界中から企業が進出し、中国の中でも経済的に目覚ましい発展を遂げています。深センの中国開発研究所(CDI)とロンドンのZ / Yenパートナーが2022年に発表した国際金融センターランキングでは、ニューヨーク、ロンドン、香港に続く4位にランクイン。また、アメリカのシンクタンクが2021年に発表した総合的な世界都市ランキングでは10位につけました。上海は、世界的に強力な都市の一つであるのです。一方、上海近郊には農業地帯が広がっており、米や野菜の生産、酪農、淡水魚の養殖などが盛んに行われています。単位面積あたりの農業人口一人当たりの食糧生産はなんと全国一!
上海の緯度は鹿児島県鹿児島市と同じで、気候は東京都に似ているといわれています。
しかし、大陸からの風の影響を受けるため、上海の方が寒さや暑さをより厳しく感じることが多いでしょう。
JYOIさんが日本の生活を通して発見したこと
上海と日本が似ている点
味の好み
中国4大料理の一つである上海料理。実は、上海料理は中国国内の料理の中でも甘めな味付け方だということをご存知でしたか?JYOIさんが日本に住み始めたとき、日本のとんかつソースや名古屋の赤味噌を食べたとき、上海のことを思い出したそう。
現地の食事が日本の味と似ている部分があると思うと、現地へ渡航することも安心感がありますよね。
言葉の発音で似ているものがある
広大な面積を誇る中国。古来より各地由来の別々の言語が話されてきました。北京語、広東語や福建語、上海語など様々な言語が存在します。日本各地にある方言と比べられないほど言葉の違いが大きいことから、別の言語と捉えることもできます。日本で一般的に考えられている「中国語」は、中国建国の際に広まった「普通话(プートンファ)」という北京語をベースにした共通語。厳密には、北京語は北京の方言です。
上海語には、日本語とほぼ同じ発音の言葉があります。「葡萄」、「人(にん)」、「死(し)」「ニ(に)」、「六(ろ)」、「小籠包(ショウロンボウ)などなど。
JYOIさんが上海に住んでいたとき、上海語を知らない中国人が上海語を聞いて、話者を日本人だと勘違いしたことがあったそう。なんだか上海を身近に感じる話ですよね。
割り勘文化
日本と同様に、友達同士では割り勘が主流です。親ほど年齢差が大きく離れている場合など、関係性にもよりますが、基本的に男性だから支払う、ということはありません。
もし上海人の友人と食事に行った際などは、日本と同様に割り勘で問題ありません。
上海と日本の異なる点
日本のような細かい上下関係
日本のようなコミュニティごとの細かい上下関係がありません。例えば大学生の場合、学年が異なっていても学生は学生。学生同士の「先輩・後輩」という概念がないため、学年が下の学生も学年が上の学生に対して、タメ口で話します。学生は学生。下の学年の生徒に、学年が上の生徒が食事を奢ることもありません。
学校の先生などの目上の人には表現方法を変えるなど気を遣って話すものの、そもそも日本語の尊敬語のような言葉はありません。
上海では日常の中で日本ほど言葉遣いを気にする機会は少ないといえます。
上座・下座の考え方
職場の飲み会やお客様を招く際に日本人が大事にする「上座・下座」、中国にはその概念がないので、状況に合わせて着席します。また中国で自動車にのる際は、助手席が最も好まれます。それは、視界が広く目の前がよく見えるから。日本では運転手のすぐ後ろの後部座席が上座とされますが、視界が最も狭い場所のため中国人にはあまり好まれません。
エレベーターを利用する時も考え方は異なります。中国では出入り口に近い人から乗降します。そのため、例え上司が一緒に乗っていても、基本的に自分が出入り口に近ければ先に自分が乗降します。それが暗黙のルールなのです。もし中国で働き始めたとき、中国人の部下に道を譲れなかったとしても気にしないようにしましょう。
それも文化の一つなので、郷に従うと気持ちが楽になります。
同僚との関係
中国では会社の同僚であっても友人のような関係。休日にお互いの家に家に集まって、お菓子作りをしたり、ご飯を食べたりしてプライベートでも交流することを好みます。日本のようなプライベートと仕事を切り離した考え方はあまり一般的でありません。
気が合えば、プライベートの時間も一緒に過ごして仲良くなりたいと考えるため、同僚とは友人のような関係を望む人がほとんどです
友人を遊びに誘うタイミング
JYOIさんが「日本に染まった」と思う瞬間は、中国に帰って友人に遊びに誘われたときのこと。上海人の友人たちは、遊びたいと思ったその日に誘いの連絡をしてくるのはよくあることです。日本人の数週間、数日前からスケジュールを組む方法に慣れてしまったJYOIさん、帰郷した際には友人からの突然の連絡に驚くそう。
当日の誘いだと会えないことが多いため、なるべく事前に約束したいと、最近はこっそり思うのだとか。
親との距離感
中国人の親は子供を心配して、進路のことや就職先のこと、結婚相手のことなどについて言うことは当たり前なこと。子供にとっては煩わしいと感じることもありますが、自分のことを思って言ってくれてることを理解しているので、上手に交わしながらいい親子関係を築きます。親子でコミュニケーションをとる頻度や会話をする機会は、日本の家庭よりももしかしたら多いかもしれません。
また、親の介護は子供が面倒を見ることが一般的。上海にも介護施設はありますが、日本のようなサービス精神が根付いている国ではないこともあり、なかなか信頼して預けられる場所は至難の業。
そのため、子供たちが親の面倒を見ることが常識とされています。
親族への手土産
他の中国の都市はわかりませんが、上海では親族への手土産には果物を持っていきます。果物のは一種類でも構いません。近い親戚には袋の中に入れて、少し遠い親戚の場合は箱詰めにして持参します。JYOIさんは日本に住み始めたとき、お盆のシーズンにスーパーで販売されている果物のセットが先祖のお供えだと知って驚いたそうです。
大事な人だからこそ、体にいい果物を贈る上海の習慣、なかなかいいですよね。
知らない人と話す頻度が多い。
上海では知らない人と話し、話しかけることは日常茶飯事。そのため、突発的なコミュニケーションには慣れています。相手と話が弾んで、連絡先をその場で交換することもよくあります。
東京よりも上海での生活の方が自分の性格に合うと感じる外国人がいるのは、こうしたオープンな雰囲気が社会全体にあることも一因でしょう。
恋愛事情
中国では学生であっても、恋人であれば男性が全て支払うことが常識。日本では、割り勘をするカップルも多いようですが、中国だとあり得ないこと。男性はすぐに振られてしまうでしょう。また、カップルで電車に乗っているとき、一つだけ空いた座席に男性が座ることも中国ではありません。女性を大事にしていることを男性は行動し表すことが求められるため、中国では恋人とのデートの際のルールが日本以上にしっかりしているのです。
また、現在でも同棲は一般的ではありません。もし新しくできた彼女が同棲をした経験あれば、不安に思う男性もいます。特に親世代は結婚前の同棲は反対するため、結婚後に一緒に住み始めることが一般的です。女性が男性の苗字になったとしても、女性の実家で親と夫婦揃って同居する家庭もあり、ケースバイケースで住まいを柔軟に決めることができることは日本と大きく異なる部分です。
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今回は、上海と日本が似ている点、異なる点をご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
後半は、現地で生活することに焦点を当てたお話をご紹介します。
ぜひ次回もお楽しみください♪
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